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きに、日本の景気がなかなか回復しないとか、財政赤字がどんどん大きくなるとか、何か嬉しそうに話をしているといって顰蹙(ひんしゅく)をかうのですが、イギリスの歴史にならうなら、新しい社会をつくり出すのにはもってこいの環境が整いつつあると考えて、嬉しくなるのです。
日本にイギリスのような市民社会が成り立つはずがないと多くの方々が疑問を持たれます。宗教が違うではないか、歴史が遠うではないか、市民の心構えが違うではないか、というわけです。最後に私が最近行った調査の結果をご紹介して、その可能性があるのだということをお話ししたいと思います。
この調査は、さきの阪神大震災のあと、震災対策について首都圏の団地にお住いの方がたにおたずねしたものです。結論を申し上げますと、自立性の強い「ボランティア型連帯志向」の市民が約半数を占めることがわかりました。肉親や近隣関係といった「既存の人間関係依存志向」が4分の1、「既存の行政システム依存志向」が4分の1でした。
私どもはこの分析結果を抽出して、少なからず驚きました。日本でもすでにボランティア活動に基盤をおいた社会を築くべきときがきていることが実証できたからです。それでも、この結果はたまたま阪神大震災という大変な出来事があったからではないかと慎重を期し、今年の7月、さきの調査から1年後に、もう一度同じ人たちを対象に同じ調査をいたしました。またまた同じ結果が出ました。つまり市民を中心にして連帯していこうという人たちが1年経ってもやはり半数を占めているのです。「ボランティア型連帯志向」は日本の社会にすでに定着しているということが言えるのではないかと思います。
今までの行政部門はどちらかというと、「既存の行政システム依存志向」の人たちのみを対象にしてきたのではないかと思います。これからの行政は、市民同士が自立してやっていこうという人たちも支援してほしい。また「既存の人間関係依存志向」の市民−神戸で言えば、あの下町の木造アパートで肩を寄せあって生活していて大地震の犠牲になった人たち−こういう人たちも行政が支援しなければいけない。行政は、単に自分たちを頼ってくる人たちだけではなく、社会全体をどのように支援していったらいいかを考えるべき時代になったと思います。
私は最近いろいろな自治体を訪ね、新しい社会改革の可能性を探っております。神戸には神戸の市民参加の方式があります。東京世岡谷には世田谷の方式が、横浜には横浜の方式があります。それぞれ特色があります。私は、ぜひ千葉県は千葉県の市民参加の方式を工夫していただきたいと思います。環境改善、再生のための全国のお手本になるような千葉県方式を確立していただけたらと願っております。
どうもご静聴ありがとうございました(拍手)。
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